金属とサビ
金属のサビといえば、もっとも身近でわかりやすいのが、鉄のサビではないでしょうか。
鉄は私たちの身近なところでさまざまな形で使われているので、誰でも一度くらいは鉄特有の赤茶けたサビを目にしたことがあると思います。
鉄サビに代表されるように「錆びる」というのは金属に多く見られる性質です。
金属が酸化することによって発生する「サビ」は、鉄や銅などに多く発生します。
反対に、同じ金属であっても、金やプラチナなどは酸化が起こりにくいため、サビにくい金属といえるでしょう。
では、私たちの生活の中で、鉄と同じくらい(あるいはそれ以上)よく使われている「アルミニウム」はどうでしょう?
アルミニウムには鉄のような赤さびは発生するイメージもなく、さびないのでは?と思っている人もいるのではないでしょうか。
アルミのサビ
ところがアルミニウムもまた、鉄や銅と同じようにさびやすい金属なのです。
たとえば、古い家のアルミサッシや、一円玉などが白く曇ったようになっているのを見たことがありませんか?実はこれがアルミニウムのサビなのです。
鉄の赤さびのように目立つ色ではないので、なんとなく見落としてしまいがちなのですが、本来アルミの色は銀色の輝きがあるもので、白く曇ったようになっているものはすべてサビが発生していると考えてよいでしょう。
サビというと、なんだかあまりよくないもののように思われるかもしれませんが、アルミニウムのサビの場合は、あながちそうとはいえません。
なぜならば、アルミニウムの表面は白く曇ったようなサビが生じることで、表面に薄い膜ができ、その膜のおかげでアルミニウムの腐食を防ぐことができるからです。
アルミ鍋などは使用しているうちに黒ずんでくることがありますが、これはアルミ鍋の表面にできていたサビの膜が何らかの原因で破壊され、化学反応が起きてしまった結果です。
黒ずみ自体は人体に影響はありませんが、黒ずみができるということは、さらにアルミニウムの腐食にも進行していく可能性も考えられます。